福島から県外、県内の他の地域に被ばく等を心配されて避難された方々がどの位いるのか、ご存知でしょうか?
県外に避難された方達と接触をしたいと試みても、なかなか難しいものがあります。
そんな中、あくまでも推測かもしれませんが、公表されている数から自分の体験と感覚を踏まえて人数を推測された方がいます。その文章を転載させていただきます。
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先週にラジオで聞いた国会中継では、現在の「自主避難者数」は6.2万人だそうです。
しかし、今となっては川内村や田村市都路、広野町なども当時の避難区域から自主避難区域と変わってますから、事故当初とどの程度の変化があるのか、訳が分からなくなっています。
それに、いままでも新聞などで福島県の「自主避難者」数の推定値を伝えていましたが、福島県から公表されたことはありませんでした。
発表されているのは県内避難者数と県外避難者数だけで、そのうち、どの程度が自主避難者なのか分かりません。
以下は2月16日に発表された資料ですが、強制避難者と自主避難者を分けて発表していません。
(平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報 (第1373報) [Excelファイル/352KB])
http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/shinsai-higaijokyo.htmlおそらく自主避難者数を発表してしまうと、あまりの多さに自主避難者たちが自己肯定し、「やっぱり避難していることは間違いではなかった」と思ってしまい、帰還が遅れてしまう、ということを県側が危惧しているのだ、という私なりの推測をしていました。
先日、たまたま仕事で二本松市役所へ出向いた時に「生活環境課」で聞いてみました。
私「県から発表されている県外避難者数は、自主避難者数と避難区域からの避難者(強制避難者)数の割合がわかりません。せめて二本松市からの県外避難者数と、そのうちの何割程度が自主避難者なのか教えてください」
担当者「私どもはそれぞれ市民の誰々さんがどこへ避難しているということは把握しています。しかし、それを集計したりすることはしていませんのでお答えできません」
私「それなら集計したら電話で教えてください」
担当者「それが、2年前に同じことを二本松市議会側から問い合わせがありまして、福島県へ相談したらその数値自体が正確なものではないとかで、あまり伝えない方が良い、ということになったという経緯もございまして」
私「ふーん。県が教えるな、みたいなことを言ってたということですね」
担当者「ま、そこまではっきりとは、はい。」
ということで、県の担当部署という「市町村行政課」に電話しましたが、「それは二本松市さんが勘違いしているのでしょう。私から二本松市の生活環境課へ教えるように言ってあげますよ。」とのことで、二本松市へもう一度電話して教えてもらうことはできました。
ただ、二本松市役所の方は「2年前は教えるな、ということだったのですが、今は考え方が変わって「教えて良い」ということになったみたいです」と県側の対応の変化に不満げでした。
いわき市の担当者も「事故の翌年は避難者が増えましたから、連鎖反応を恐れて自主避難者数を隠していたのでしょうね」と言ってました。
やはりSPEEDIの情報隠ぺいや「安全である」という嘘の報道を要求した福島県の上層部のやりそうなことです。
自主避難者の増えた2012年春以降はその自主避難者数を隠すことで、後に続くそれ以上の人口流出を防止しようとしていたのでしょう。
二本松市から県外避難者は221世帯591名だそうで、そのうち「自主避難者」は何割程度でしょうか?との問いに、「うちは津波被害もなく、避難区域ではありませんから、すべてが自主避難者です」との回答でした。
中には家屋倒壊で県外へ避難した方もいるでしょうが、ほとんどそんな人はいない、ということでした。
それで福島県の避難者支援課へ電話して「県外避難者」のうち何割が「自主避難者」なのか聞くと、「これは公表してませんので、正確には申し上げられませんが、ほぼ半数です」とのことでした。
ついでに「県内避難者」の数のうち、福島市や郡山市などの避難区域ではない市町村からの避難者のうち、自主避難者は何割程度か?との問いに「基本的にすべてです」との回答でした。
福島県避難者支援課で開示請求をすれば、正確な自主避難者数は把握できるようですが、もしかしたら担当者が個人的にまとめているだけで、正式な数字は出てこないかもです。
ということで、自主避難者を取りまとめると以下の人数となります。
県外自主避難者数:23,000名(県外避難者総数45,735名の約半数)
県内自主避難者数:18,000名(避難区域でない市町村からの避難者総数、南相馬市は電話で教えてもらいました)
トータル41,000名が自主避難者数ということになります。
しかし、これは県外避難者のうち、自治体からの借り上げ住宅補助を受けている人、総務省に避難者であることを届け出ている人、県内避難者のうち、借り上げ住宅などの支援を県から受けている人だけの人数です。
私のように自主避難して東電から家賃を賠償してもらっている人や、母子だけ実家へ避難して、避難者であることを届け出ていない人は含まれていません。
私の周囲には実家へ子ども(乳幼児)を連れて避難しているお母さんたちを10人程度、比較的裕福な家庭で避難地に自分で家を買って避難している人を2人知ってますが、それらの人達は誰にも教えてないのでこの人数には含まれていないことになります。
二本松市へその後電話で聞いた話では、「避難先では福島から避難してきていることを誰にも知られたくないから、二本松市からの郵送物はストップしてください」という人が多いそうですから、いちいち避難者であることを届出などする人は、今ではいないと思います。
県内借り上げ住宅は2012年11月1日現在で避難している人に限っての住宅補助、県外借り上げ住宅は2012年12月28日までの受付でしたから、それ以降に自費で自主避難した人もこの45,000名に含まれていません。
少なくても3割増しが実数でしょうから、今でも自主避難者は60,000名を超えていると思います。
県内自主避難者数(住宅補助によって県が把握している人数)の多い市町村を列記しておきます。
(県外避難者の市町村別は各市町村へ電話すれば教えてくれるそうです。)
いわき市:5,011名(津波による避難者も含まれている)
南相馬市:3,500名
田 村 市:1,776名
相 馬 市:1,639名
郡 山 市:1,578名
須賀川市: 743名
新 地 町: 737名
福 島 市: 547名
白 河 市: 371名
以下の「子どもの避難者数」を見ると、福島市や郡山市は圧倒的に県外避難者が多い(約100倍)ですね。
http://urx.nu/hKC5今でも福島市と郡山市だけで4,000人以上の子どもが避難をしています。
数字に表れていない乳幼児や実家への母子避難者を合わせるとどこまで増えるのでしょうか。
また、川内村や田村市都路、広野町など避難区域を解除された区域で避難を継続している人は原則的に「自主避難者」となるのでしょうが、上記の計上では自主避難者は0名で強制避難者として考えています。
紛らわしいことに、郡山市のHPで公表している避難者数は、県内64人、県外4,876人です。
https://www.city.koriyama.fukushima.jp/063000/koho/press/2014/documents/1212_shimin.pdfこのうち県外4,876人はそのまま県外自主避難者と近い数字なのでしょうが、県内64人は県内借り上げ住宅の人数(1,578人)とまったく違うので、でたらめな数字ということになります。
あくまでも「避難しました」と避難先の自治体に申請した人の数ですから、県内避難者がわざわざ「私たちは県内に避難しました」と連絡する人などいないでしょう。
県内避難者は住宅補助を県から受けている人から推定した上記1,578名が目安の数字となります。
もちろん私のように自費で避難している人はこの数字に含まれませんし、母子で実家へ避難していて借り上げ住宅に入居していない避難者も計上されていません。
おそらく見えている数字の1.5倍から2倍の数が実際の自主避難者の数ではないでしょうか。
そうすると41,000人(23,000+18,000)×1.5~2.0=約60,000~80,000人が、放射能を気にして避難している、実際の自主避難者数だと思います。
川内村や田村市都路、広野町など避難区域を解除された区域も自主避難者として考えれば、自主避難者は10万人を超える数字となるでしょう。
現在の郡山市でも0.25μSv/h程度です。
紫外線で例えるなら、赤道直下のアフリカは日本の6倍の紫外線量だそうです。
原発事故前の0.04μSv/hの6倍は0.24μSv/hなので、事故後の中通りはアフリカの赤道直下の紫外線を浴びているようなものなのです。
汚染地域では放射能が再浮遊してますし、食物からも内部被ばくします。
科学者や官僚などのエートス推奨者は、自分の後継遺伝子を安全地帯に残したまま、我々に汚染地域での生活を押しつけようとします。
安全なら東電社員も子どもを連れて「福島復興本社」とやらに転勤してくるはずです。
子どもと一緒に転勤して来ているという話しは聞いたことがありません。
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