
福島の郷土食「イカ人参」です。
かなり食べ終わった後に、写真!と慌てて撮りました。きっかけは以前にブログに掲載した「キクイモの味噌漬け」。余韻の良さに惹かれて、本当のイカ人参が食べたい!と頼んで、とうとう戴きました。イカ人参はスーパーマーケットやホテルの朝食で見かけるのですが、「美味しい」という話のわりにはピンとこない。あってもなくてもイイようで美味しいと思う感じがありませんでした。それで友人のお母様にお願いしてそのお家の「イカ人参」を作っていただきました。友人は人参が好きというとおり、人参がコリコリしてイカや昆布の味が沁みてとっても美味しい。食べていて気付いた事、それは他のおかずの邪魔をしないこと。福島県人のやさしさに繋がる味です。これは毎日のお膳にあっても飽きそうもない味です。是非試してください。大事なのは味を強くせず、人参のコリコリ感をなくさないように。そうすればメリハリのあるイカ人参が出来上がります。ちなみに友人の家では人参の量が圧倒的に多いのだそう。解る気がします。
<イカ人参の作り方>材料:するめいか、すき昆布、ひじき、人参
調味料:塩、醤油、酒、砂糖、蜂蜜、だし
作り方:
1)海水と同じくらいの濃度の塩水に切ったするめいかを入れ、9~10時間程浸ける。
2)すき昆布、ひじきを水に浸ける。
3)人参に塩をしてしんなりさせる。
4)すき昆布、ひじきを水からあげて一瞬熱湯にくぐす。
5)いか、すき昆布、ひじき、人参をあわせて水分を絞る。
(重しを使うと材料の形が崩れませんが、手で絞ってもいいと思います。)
6)醤油と酒を1:1、砂糖大さじ2、蜂蜜大さじ1、だし、をあわせて沸騰します。
7)冷ましたら、材料(5)に少しずつかけて重しをします。
(作ってみたら・・・次回に気をつける事とその後で教えてくれた事)*12月の声を聞くとイカ人参の季節だそう。冬の間はお鍋でまとめて作り、1週間から10日間ほど寒い場所に保存し毎日楽しむのだそう。「そういえば春になると作らなくなるなあ。」
*人参は福島には牛蒡のように細長い人参があり、それをを使うのがイイのだそうです。原発爆発後はその人参は店頭で見なくなったとのこと。
*「松前漬けに使う昆布とするめの入ったパックがあるけれど、それを使うのは?」と聞くと、「それではダメだと言うので我が家では別々に入手する。するめははさみで細かく切っている」そうです。
*人参はこんなにと思うくらい多くても大丈夫。むしろ少ないとお行儀悪く人参を探す始末。人参は拍子切りですが、コリコリ感を失わないように、大きさや塩でしんなりする塩梅に気をつけてください。あまり細くするとペタッとし安っぽい味になります。今回は色々な大きさに切って試しました。
*頂いたイカ人参は「?」と思うほどひじきと昆布が少なかったので、多くしたらむしろ味を邪魔しました。特にひじきは彩からも量に気をつけてください。
*材料の形と色のバランス・・これ大事かも。下品にも上品にもほんのちょっとした具合でなってしまいます。そもそも美味しいものは美味しく品よく見えるように工夫しなければ勿体ないです。
*材料を多く用意したので調味料の量を多めにしてしまいました・・結果はX。素材が水分を多く吸収し、一つ一つの味のハーモニーを崩してしまいました。重しの意味がよく分かりました。
*それでも美味しかったので、絶対お勧めします。ホテルやスーパーマーケットでのデレッとした味とは比べ物にならない美味しさでした。
*夜中にこっそり味をみたら、味と感触が良くなっていて嬉しかったです。「時間が経つと粘りが出てくるので、それまでに食べるようにしている」と言うので、「保存を確実にするために焼酎を入れたらどうかと」聞いたら、「焼酎入れてるのは見たことがない」との事でした。暖かい房総では保存の為に時には漬物に焼酎を入れるので聞いたのですが、やはり土地土地の気候風土で違うのですね。
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