「福島県の方からのメール」(武田邦彦先生のブログからの転載)
日本の自然放射線は年間に1.5ミリシーベルトです(外部被ばく+内部被ばく)
(報道されている2.4ミリシーベルトは世界平均で日本ではありません)。
赤道に住む人達の肌が黒い(紫外線障害防止)ようにわたくしたちは昔から
住んでいる環境に最も適した形に変わっています。
日本人の場合には、放射線が0よりも1.5ミリシーベルトの方が健康であると
考えられています。
しかし人工的な放射線がプラスされる場合、通常の人の場合には、
5ミリシーベルトから10ミリシーベルトまで大丈夫なのですが、赤ちゃんや免疫が
少し弱い人等がおられますので、安全を見て世界的な基準が低くなっています。
1ミリシーベルトというのは、自然放射能の1.5を加えた合計で2.5という意味です。
1.5以上の放射線は一般的には体が悪いとされています
(国際的にも国内勧告でも)。
「pikiさんからのメール①」世界の高線量地域でも暮らしている人はいる、という主張もよくなされますが、
ブラジルの高自然放射線地域において、住民の末梢血リンパ球染色体異常は
対照地域と比べて増えていた(しかし、疾病への相関関係は認められなかった)
という論文があります。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-02-07-03(調査対象が202人なのでサンプル数がやや少ないと思いますが)
「長野県のIさんからメール」(一部要約)例えば、かつて、0.03μSv/hだった土地に放射性セシウムが降下して、
0.13μSv/hとなったとします。
まだぜんぜん、世界に較べれば低いじゃん。と安心できる値なのでしょうか?
これについて少し考えてみました。
上海など、世界の自然放射線(ガンマ線)は、主に地面(大地=岩盤)から
やってきます。
一方、東京電力福島第一原発事故由来の場合は、放射性セシウムを含む
微粒子が単位面積(1平方メートル)あたり、27600Bq 降下した場合に、
空間線量率を 0.1μSv/h 増加させました。*1)
実際に降下した放射性物質を含む粒子は、実測された直径で2.6μm
でした。*2)
つまり、話題になった、PM2.5とちょうど同じサイズです。
中国からやってくるくらいですから、空中に放出されれば、風に乗って何処
にでも行きます。また、1粒の放射能は、約7Bqだったと報告されています。
これをあてがうと、
27600Bq/7Bq= 約4000粒が、1平方メートルにばらまかれた時、
その場所の空間線量率が、約 0.1μSv/h上昇したことになります。
降下した粒子は、粉塵となり、風に舞い、呼気に混ざって肺に届くことも
起きるかも知れません。
また、農産物、畜産物にCsイオンが入り、食品を通じて体内に入る。
こうした、呼吸による内部被曝や、食品による内部被曝が、外部被曝に
対して更に、追加されます。こうした点が、国際比較で空間線量率のみで
見る場合に、考慮されていない点かと思います。
海外は、高いと言っても、岩盤由来、つまり、
その殆どが外からやってきて体を突き抜けるガンマ線による、外部被曝のみ
と考えられます。まとめると、降下した放射性セシウムを含む微粒子を呼吸や、
食品を通じて体内に取り込んだ結果、追加される内部被曝の影響を考慮して
いないため、国際比較での空間線量率だけでは、単純に比較できない。
ということだと思います。
*1)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/017/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2011/09/02/1310688_2.pdf*2)
http://www.natureasia.com/ja-jp/srep/abstracts/49125*3)チェルノブイリ事故(1986)後に増加していないと仮定。
「pikiさんからのメール②」「0.23μSv/h」の根拠についてここに詳しく掲載されています。
https://www.kankyo.metro.tokyo.jp/policy_others/radiation/view/men.html(東京都環境局 国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠)
それによると、「追加被ばく線量年間1ミリシーベルト(mSv)を、一時間当たりに
換算すると、毎時0.19マイクロシーベルト(μSv)と考えられます。
(1日のうち屋外に8時間、屋内(遮へい効果(0.4 倍)のある木造家屋)に
16 時間滞在するという生活パターンを仮定)
毎時0.19マイクロシーベルト(μSv)×(8時間+0.4 ×16 時間)×365日=
年間1ミリシーベルト(mSv)
測定器で測定される放射線には、事故由来の放射性物質による放射線に加え、
大地からの放射線(毎時0.04マイクロシーベルト(μSv))が含まれます。
このため、測定器による測定値としては、0.19 (事故由来分)+
0.04 (自然放射線分)=毎時0.23マイクロシーベルト(μSv)
である場合、年間の追加被ばく線量が1ミリシーベルト(mSv)になります。」
この考え方で問題とすべきは、「0.23μSv/h」が世界的に見て高いか低いか、
ということではなく、あらかじめ一定の生活パターンを決めてしまい、そこから
逆算するような形で「0.23μSv/h」を導いていることです。
さらに言うならば、ICRPの定める「平常時における公衆の被曝線量=
1mSv/y」は、外部被曝・内部被曝合わせたものです。
しかし「0.23μSv/h(計算上1mSv/yになる)」は外部被曝のみ対象としています。
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(福島県 フクシマン・マサ)
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