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福島バッジプロジェクトは、福島の人達が「原発はイヤだ」と意思表示を出来る場を作り、その福島の人々の心に呼応して、同じ意思表示を日本中のだれもが出来るような場を作る事を目的として設立しました。

フクシマからショートエッセイ「花は咲く」

6月29日です。
・・・・・・・歌は難しい・・・・・福島の方は「故郷」は歌えないと言います。
私も歌えなくなりました。でも福島の「歌えない」はずうっと深くて重く悲しい。
先日も避難している人の傍で「故郷」を歌い始めた人達がいました。
その人はボロボロ涙を流し、私は何も出来ずに抱きしめていました。
あらおさん、このエッセイを書いてくださってありがとう。
二本松市に住む詩人あらおしゅんすけさんのブログから転載します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
http://blog.goo.ne.jp/arao-311/m/201406
札幌たより No84 フクシマから ショートエッセイ「花は咲く」
≪ 花は咲く ≫

エッセイスト・吉永みち子さんが福島原発事故から3年過ぎたころある新聞に
「帰宅困難地域(富岡町)を訪ねて」というエッセイを書いている。その一部を
引用して趣旨を紹介すると次の通りである。

 『・・・・夜の森公園の桜を見て「花は咲く」という歌は2度と歌えないような
気がした。それは、毎年咲いても、誰も見ることができない花にどんな未来が
見えるのか。絶望感と戦っている人達に“私は何を残しただろう”という歌詞は
辛すぎる。 復興支援ソングを一緒に歌って元気のやり取りをするより、いま
何が原発で起きているのか懸命に知ろうとするべきではないか。 情緒に
逃げ込まずに、私達が何を残したのか懸命に考え続けることこそが責務
なのだと改めて思った。』

吉永さんは「花は咲く」という歌に違和感を感じているようだ。
実は私も彼女とは少し違うのだが、あの“事件”で今も低放射線量下に住まざる
を得ない一市民として、 「花は咲く」を歌う気持ちにはなれない。

この歌は、自然災害で身内の方などを亡くしたり或いは苦難の道を歩いている
方々には、鎮魂歌としてまた慰めや励ましを与えてくれる歌としてとても良い。

しかし、情報も与えられずに放射能を浴びせられるままにされた人たちはどう
受け止めているだろう。3年目で90人もの子供たちが、甲状腺ガンの宣告を受け、
その陰にその何十倍もの子供たちや親御さんが今も健康不安に苛まれている
のが現実なのだ。そういう人たちや、20msv以下になったから帰還しなさい、
とか低線量被曝の安全神話のみを聞かされている人の立場になって
この歌を聴いてもらいたいと思う。

吉永さんは“「花は咲く」を歌って情緒に逃げ込まず、現実を直視しよう“と
言っているのだが、もう少し踏み込めば、次のような思いはないだろうか。

「事件の真相を究明しよう。責任を追及しよう。子どもたちをはじめ健康不安に
襲われている人たちに十分な対応をしよう。 棚上げされている
「子ども・被災者支援法」を速急に成立発足させよう」。
そこをさし置いて、このままなし崩しに原発を再稼働させたら、また原発事故が
起こり多くの市民が苦しむことになろう。国も東電も、これから何代にもわたって
続くであろう放射能との戦いにきちんと向かい合って、 弱者にも光を当てながら
誠意をもって問題解決の道を歩き始めているのなら、たまには
「花は咲く」をしみじみと歌いたい。



               
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