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集会前、講談師神田香織さんの講談 「福島の祈り―ある母子避難の声」で事故からの3年間を振り返った。
(なかなかみごとな感動的なものであった。事故の概要を知るのにもよい方法であると
感じた。)
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連帯のあいさつに駆け付けた大江健三郎氏の発言要旨。 『先の戦争の時、多くの人がだまされたと言って責任を逃れる風潮があったが、
福島の事故の前後もそれがある。
原発・核が人間と共生できないことを体験して行動し始めている福島の人たちとともに、
子ども達、次の世代のことを考えてみんなで行動しよう』
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原子力資料室の沢井正子氏の報告要旨。 『事故は終わっていない。
汚染水はノーコントロールである。原子炉からはストロンチュームを含めて高線量の放射線
が流れ続けていて、原因究明、廃炉作業計画も立てられない状況だ。
しかし東電は柏崎原発を再稼働することだけを考えている。』
・5人の被災者からの報告(訴え)要旨 。
1.浪江・しばうちさん
『苦渋の選択だが、相馬市に家を新築中。“静かに見守ってもらうこと”も
一つの支援の方法です。
2.兵庫に自主避難のあつみさん
『親として“娘を守ること”を最優先した。こども・被災者支援法の実現を願う。』
3. 喜多方の有機農家・わたなべさん
『相馬市の仲間のメッセージ代読も。放射能はかけがえのない歴史文化生活環境の場を
切り刻んだ。
この社会のありようについても考えさせられた。』
4.除染労働者のAさん
『除染現場で1万円の危険手当のカット、日当5500円とかの低賃金。
環境省に直接電話で訴えたら解雇された。
国直轄の作業現場でも事前の安全教育なく低賃金。』
5.2013年高校生平和大使のみずほさん
『たくさんの人と出会って自分が無知だったことを知り、視野も広がった。
高校生は大人でもあり子供でもある。
再び戦争ができる国にならないようにお互いに責任を持とう。』
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集会宣言 事故はまさに現在も進行中。
避難者14万人、災害関連死1600人以上、除染は計画通り進んでいず山林除染は
計画すら立っていない。
国は国会で決めた「子ども・被災者支援法」の実施を先延ばししている。
東電はADR (紛争解決委員会)の和解案すら拒否する擧にでている。
東電を破綻処理し、経営陣や株主、メガバンクなどの責任を取らせるべき。
島県では「県内原発の全基廃炉を!」の声がますます高く上がっている。
世界史に刻まれるこの大事故の犠牲を無駄にしないために県民の意思を総結集して
全国、世界の人々とも手を携えてさらなる一歩を踏み出そう。
以上のような宣言が大拍手で承認され国や東電に届けることが確認された。
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大集会の翌日の新聞(朝刊)の見出し、報道について ① 朝日新聞:
「反原発集会で大江さん訴え」と地方版のみに一段に小さく掲載。
その上に3段見出しで「首相健康面を支援」と福島県南を訪れた安倍氏の動向を
大きく報じた。
② 福島民報:
2面に「5000人脱原発集会」の見出しで短く報じた。
③ 福島民友:
5面に小さく「第2原発も廃炉求めるー県内3会場で脱原発集会」の見出しで掲載。
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参加者としての所感 1。 これらを見るとマスコミ特に、県民の公器であることが望まれる福島県の地方紙は、
この大会の後援をしているのだが、相変わらず事故直後からのムラやクニ寄りの姿勢を
続けていると思うのは 私ばかりだろうか。
2.この集会には福島県民のほか全国各地から沢山の人が駆けつけてくれた。
(その割合は2~3割か)
福島県民は極めて穏やかで控えめだ。
しかし福島原発告訴団はじめ東電や国に対する訴訟や抗議や賠償請求活動を、
全国の心ある方々と連携しながら粘り強く行動している人たちがいることが、
この集会でも確認することができた。 (以上・二本松市のあらおでした)
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