田原総一郎
「最初に小泉さんの(脱原発発言を)取り上げたい。
小泉さんがフィンランドに行ったんですね。
フィンランドっていうのは、スウェーデンと並んで、使用済み核燃料の最終処理をやっている、世界で珍しい国なんですね。
で、そのフィンランドの最終処理を見た。
それで、最終処理は10万年かかると。
それを聞いて、『10万年!!そんなのだめだよ!!』と。
まあ小泉さんというのは直観の天才でこういったんだけれども、どう思う。」
(中略 馬淵民主党議員や、飯田哲也環境エネルギー政策研究所所長の小泉発言を支持する意見を聞いた後で。)
田原総一郎
「実は小泉さんと一緒に、ある原発メーカーの社長が一緒に行ったんだよね。
それでその原発メーカーの社長が、高速炉で処理すれば、10万年じゃなくて300年で処理できる。
しかも、量が10分の1になるということを、小泉さんに懇切丁寧に説明したけれども、彼は全く理解をしなかったと、不満を漏らしているんだけれども、この点どう?」
(中略 各コメンテーターの意見を聞く。
コメントの要旨:小泉発言のポイントは、脱原発をいつまでにやるか?ということ。多くの国民は脱原発を望んでいるが、いつまでに脱原発するかということに、使用済み核燃料の問題は密接に絡んでくる。)
池田信夫(アゴラ研究所)
「小泉発言についていうと、僕2つの錯覚があると思うんですよ。
一つは、10万年は永遠より短いってことですよね。
10万年仮に放射能が減衰するのにかかるとしても、例えば、皆さんプルトニウムがみなさん怖い怖いと思っていらっしゃるかもしれないですけれども、もう一つの錯覚はですね、毒性の種類なんですね。
ここで、最終処分をする際に問題になるのは、地下水に混入して、それが何らかの形で人間の口にはいるっていう、いわゆる経口毒性。
実はプルトニウムの経口毒性って、非常に低いんですね。
水銀とかヒ素とか六価クロウムとか、もっと危ない重金属いっぱいあるわけですよ。
その水銀がね、水銀の毒性永遠に続くわけです。
プロトニウムはたかだか半減期2万4千年ですよね。
どっちが短いかって言えば子供でも分かるでしょ。
10万年っていうとひどく長いみたいだけれども、永遠の方が長いわけでしょう。
じゃあ、永遠に毒性が続く水銀は、年間どれぐらい出ているか?22トン出ているんです。
3万8千人分の致死量が、東京湾にも大気中にも出ているわけです。
それはようするに、薄めているから、3万8千人分の致死量でも、1年間で全国に薄く流せば問題ないということで、環境省が認めているわけです。
それに対して、なんでプロトニウムだけがゼロでなければならないのか?これがわからない?」
田原総一郎
「薄くして流せばいいじゃないかと?」
池田信夫
「そうは言ってませんよ。地層処分で基本的にはずっと閉じ込めるわけです。
それで万が一地震かなんかがあって、ひび割れしてね、地下水に混入した場合に、地下水が回りまわって魚なんかに入って、人間の口に入った場合に、どうなるかっていう毒性で考えると、はっきり言って水銀のほうが遥かに危ないわけですね。」
(中略)
田原総一郎
「森園さんどう思いますか?」
森園和重
「10万年より永遠は確本当に長いと思いますが、みんな生きていないと思いますよ。今ここにいる私たち大人は。」
田原総一郎
「さっきの300年だって生きてない。」
森園和重
「300年だって本当に生きていないんですよ。
そんな論争よりも、今どうしていくかっていうことを、本当に私たちの責任ですから。
特に50代っていうのは。
ずっと私は官邸前でもどこでも言っています。
そこの部分で話をいただきたい。」
(中略 その後議論は、汚染水の問題や、東電の破たん処理の問題、廃炉の問題に入る、その議論をする中で・・・)
1時間48分頃より・・・
田原総一郎
「実は、細野豪志がね、原発担当大臣だった時に、僕が、使用済み核燃料の最終処理の研究開発期間を作った方がいいと思うと言った。
インターナショナルで。で、その研究開発機関を、できれば福島に作った方がいいと思うと言った、インターナショナルで。
で、細野さんに、アメリカやフランスに行って、ちょっと見てきたらどうか?と言った。
そしたらアメリカやフランスに行って、(視察したら、向こうの国は)まったく熱心じゃないと。
で、なんでかって言ったらね・・・
(これから言うことは)わかんないよ・・・?
やっぱり今からね、30年後、40年後には、10万年じゃないと。
で、さっきの高速炉だと300年。
もっともっといい技術ができるんじゃないかと言う期待を持っていると言った。実は・・・。」
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
「それは絵に描いた餅と一緒で、私も原子力から出ている人間ですので、そんなの昔から言われていることですが、核融合と一緒で、いつまでたっても・・・。
新しい核を作ったら、また新しい核ができるわけでですね、問題を逆にややこしくさせるだけ。」
田原総一郎
「じゃあ、なんで(最終処分の問題を)早くやんないんだ?」
飯田哲也
「(要旨 民主主義の国だから、立地地域から反対がでて、政治的合意ができないから、各国、最終処分の問題に手を付けられない・・・という話をした後で)
ですから、民主主義の国の中で短期的に合意するのは非常に難しいです。
だから、責任貯蔵と言って、イギリスなどで行われている議論ですけれど、300年ぐらい置くしかないじゃないかと・・・
ただ、それだけではあまりに無責任案なので、もう出る量を打ち止めにしましょうと。
今1万7000トンの核のゴミがあるけれども、それプラス、あとの再稼働の話になりますけれども、あと何トン生み出すかを。
ドイツは発電量で決めたわけですが、使用済みの核燃料の総量を、われわれが抱え続ける量を決めるっていうのが、責任ある姿勢なんじゃないかと思います。」
(中略)
2時間20分ごろから…
長谷川幸洋(東京新聞)
「さっきの小泉さんの話に戻るわけだけれども、小泉さんは処分場がない、最終処理の見通しがないと言った。
それから、日本学術会議、日本で最高のアカデミシャンですよ。
この方たちが10万年にわたって、地層処分の安全性は、今の科学技術では私たちはわかりませんと。もうお手上げしてるわけ。
そうだとするとですよ、馬淵先生おっしゃったように、せいぜい数十年か、数百年か、300年ぐらいの間、仮に、暫定的に置くしかないんですね。
じゃあどこに置くのかと言ったら、結局今ある、50幾つの原発や、六ヶ所村に置くしかないでしょ。
ところが、いまのプールはどうなっているかというと、もうあと数年で、満杯になるって言われているんですよ。
せいぜい4~5年、5~6年、10年なんて持ちませんよ。
そうだとすると、実はこの話は、核のゴミ、トイレなきマンションの話ですけれど、目先5~6年の所で、もうお手あげ状態になっちゃう。
だから、小泉さんの話に戻れば、これは選択の余地なく、止めざるを得ないっていう話なんです。」
池田信夫
「この問題はね、これほど、周りの人と、当事者との話がね、これほど大きく違う問題も珍しくてね。
僕も当事者にいろいろ話を聞いてみると、当事者はみんな楽観しているんですよ。
つまりね、これブッチャケて言うと、六ヶ所はもう再処理工場としては使い物にならない恐れ強い。
そうすると、あそこの、ものすごい面積のところ開いちゃうわけですよね。
だから、それを最終処分場にしちゃえばいいわけですよ。
関係者みんなそういうもんだと思っている。」
長谷川幸洋
「そんなこと青森は絶対に許しませんよ」
池田信夫
「県知事が反対しているんですよ。」
飯田哲也
「県知事じゃなくて青森の総意(で反対している)」
池田信夫
「六ヶ所村は合意しているんですよ」
何人かの論客から
「それは違います・・・」
(書き起こし終わり)
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