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福島バッジプロジェクトは、福島の人達が「原発はイヤだ」と意思表示を出来る場を作り、その福島の人々の心に呼応して、同じ意思表示を日本中のだれもが出来るような場を作る事を目的として設立しました。

福島原発被ばく労災損害賠償裁判(あらかぶさん裁判)原告意見陳述書

たんぽぽ舎さんのMLから、【TMM:No2993】・【TMM:No2994】
2017年2月4日(土)〜2月6日(月)の2回に分けて、被ばく労災損害賠償裁判のあらかぶさんの陳述書を転載させていただきます。


福島原発被ばく労災損害賠償裁判(あらかぶさん裁判)
   東電・九電は労災の因果関係を争う姿勢

   あらかぶさんの怒りを込めた陳述書  (上)
 └──── 中村泰子(あらかぶさんを支える会)

 2月2日、東京地方裁判所で、福島第一原発収束作業等で被ばくし
白血病になった元作業員(ニックネーム:あらかぶさん)が東電と九電を
訴えた損害賠償請求裁判の第1回口頭弁論がおこなわれました。

 法廷定員(22名)の2倍以上の人が傍聴に駆け付けてくださり、裁判後
の支援集会では、各方面から熱い連帯の発言がありました。
 東京電力・九州電力は「作業と白血病発症の因果関係は否認」し、
全面的に争う姿勢です。
 あらかぶさんの裁判を知っていただくために、当日の原告意見陳述書を
以下にご紹介したいと思います。
 第2回口頭弁論は4月27日(木)11時から(法廷未定)です。


意見陳述書                  平成29年2月2日
東京地方裁判所 民事15部 御中
                   原告   ●

 私は、福岡県の北九州市、●の出身です。●年●月●日生まれ、
現在42歳です。
高校を退学して、17歳から鍛冶見習いとして働き、途中他の仕事も
しましたが、現在まで鍛冶職人として働いてきました。


 平成23年、東北大震災の時は、36歳でした。
テレビで繰り返し流される津波の映像を見て、本当に大変なことになった
と思っていた矢先、3月12日には福島第一原発の建屋が水素爆発を
起こしました。東北の人たちの大変な状況を思うと、本当に胸が痛み
ました。同時に、なんとか頑張って欲しいという気持ちもありました。
 そんな折、平成23年4月頃、旧知の●から福島の原発事故の収束作業
を手伝わないかと声をかけられました。私は、東北の人たち、福島の
人たちの役に立てるなら、自分の溶接の技術が役に立つなら、少しでも
力になりたいと思いました。ただ、私には、妻と、当時7歳と5歳と2歳の
3人の子どもがおり、妻と子ども達からは、健康が心配だから行かないで
ほしいと言われたので、本当に迷いました。それでも、私の生まれ育った
北九州では、誰かが困っていて、自分が助けになるなら、見て見ぬふりは
するなという、義侠心というか、そういった風土がありますので、私も、これ
は行かにゃならんだろう、とそう思って、福島に向かいました。


 原発事故の作業現場では、まずその管理のずさんさに驚きました。
例えば、平成23年の11月から翌24年の1月まで作業に従事した福島
第二原発4号機建屋の耐震化工事では、現場監督のAPDが鳴って
いるのに、監督は「大丈夫、大丈夫」と言ってAPD貸出所まで戻って
APDを解除するなど、でたらめな作業が行われていました。
 これに対して、東電らは今回の答弁書でそうした事実を否定している
ようですが、福島のために何かしたいと思って原発事故の収束作業に
命がけで取り組んだ私たちを、このような無用な危険にさらしておきながら、
自分の責任をかえりみない東電らの姿勢には強い怒りを覚えます。
 また、平成24年10月から平成25年3月まで従事した、福島第一原発
4号機のカバーリング工事では、鉛ベストが20着しかなく、作業員の人数分
鉛ベストがないという状況でした。それにもかかわらず、現場の監督は、
「着らんでもこっそり入れ」などといって私たちに作業をさせていました。
 現場の状況は、こんな状態で、劣悪な労働環境でしたが、私たちは、
福島のために一刻も早く原発事故を収束させたいという思いで一心に
頑張って作業していました。 (下)につづく

※参考新聞記事

「原発作業で白血病」 東電、九電は争う姿勢
労災認定の男性が損賠求め 東京地裁で初弁論

 福島第一原発事故の収束作業や佐賀県の玄海原発の定期点検で
放射線に被ばくした後、白血病を発症し、労災認定された北九州市の
男性(42)が東京電力と九州電力に計約5900万円の損害賠償を求めた
訴訟の第1回口頭弁論が2日、東京地裁で開かれた。
電力側は「被ばくと白血病発症との因果関係を争う」との書面を提出し、
請求棄却を求めた。
 原発事故後の被ばくを巡り、労災と認定されたのはこの男性が初めて。
法廷では「事故を収束させたい一心で従事したが、労働者を使い捨てる
ような扱いを受けた。東電は自らの責任にしっかり向き合ってほしい」と
意見を述べた。 (中略)
 白血病は小康状態だが、男性は働けない状態が続いているとして、
慰謝料や休業損害などの補償を求めている。【共同】
  (2月2日佐賀新聞LIVEより抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
福島原発被ばく労災損害賠償裁判(あらかぶさん裁判)
   東電・九電は労災の因果関係を争う姿勢

   あらかぶさんの怒りを込めた陳述書  (下)
             中村泰子(あらかぶさんを支える会)
2月2日、東京地方裁判所で、福島第一原発収束作業等で被ばくし
白血病になった元作業員(ニックネーム:あらかぶさん)が東電と九電
を訴えた損害賠償請求裁判の第1回口頭弁論がおこなわれました。
法廷定員(22名)の2倍以上の人が傍聴に駆け付けてくださり、裁判後
の支援集会では、各方面から熱い連帯の発言がありました。
 東京電力・九州電力は「作業と白血病発症の因果関係は否認」し、
全面的に争う姿勢です。
 あらかぶさんの裁判を知っていただくために、当日の原告意見陳述書を
以下にご紹介したいと思います。
 第2回口頭弁論は4月27日(木)11時から(法廷未定)です。


 福島第一原発の雑固体焼却施設の設置工事に従事していた平成25年
12月頃から、熱が続き、咳が出る風邪のような症状に悩まされるように
なりました。年末に北九州に帰り、地元の医師の診察を受けましたが、
その際も風邪との診断でした。
 しかし、年明け1月10日に、福島の作業に復帰するために電離健診を
うけたところ、白血病といわれ、目の前が真っ暗になりました。白血病と
言えば、血液のがんとして、きわめて死ぬ確率の高い病気ですから、
私は、聞いた瞬間に、もうダメだ、と思いました。子供たちもまだ
小さいのに、なんで自分が死ななきゃなんないんだと思うと、涙が
あふれました。
 それから、とても辛い治療が始まりました。抗がん剤治療で髪の毛、
まゆ毛など、体中の毛が全て抜け落ち、毎日大変な吐き気、高熱に悩ま
され、爪もボロボロになりました。
 さらに、24時間モルヒネを打たれている状態なので、ずっと船酔い
したような体の感覚で大変に辛かったです。
 また、週に1,2回する血液検査のための骨髄穿刺では、手回しの
ドリルで胸や腰の骨に穴をあけて骨髄を採取するのですが、これも大変に
辛いものでした。
 そして、死ぬかもしれないという白血病の恐怖や、妻と子供たちを
置いていくことになるのかという悔しさから、夜も眠れない日が続き、
最後にはもう生きていてもしょうがないんじゃないかとまで思うように
なりました。この時期に、うつ病との診断もされました。
 それでも、妻と子供たちのためと思い、辛い治療にもなんとか耐えて
頑張ったところ、平成26年の8月には退院することができました。


 私が、この裁判を起こした理由は、東電らに自分の責任としっかり
向き合ってほしいからです。私は、できれば裁判などしたくありません。
人前にでることも苦手だし、嫌いです。
 しかし、私は、福島の原発事故収束作業に従事した多くの労働者の
一人として、他の作業員たちのためにも、今声をあげる責任があると思い、
この裁判に踏み切りました。国が労災と認めているのに、東電は賠償
しないというような言い分が許されるのでしょうか。
 私たち、原発作業員は、何とか事故を収束させたいという、その一心で
作業にあたりました。
 しかし、東電らはその作業員の思いにこたえるような労働環境を用意
するどころか、私たち労働者を使い捨てにするような扱いをしてきました。
 私はこの裁判で、東電らのそのような姿勢、体質を明らかにし、その
責任を認めさせることで、今後そのようなことが繰り返されないことを
求めます。
 裁判官には、是非、一人の人間として、原発で働く私たち労働者の声に
耳を傾け、正義を実現して頂きたいと思います。 (終了)

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福島から声を出さなければ、原発は止まらない・・声を出せるような環境創りをし、又、声を出さなくとも意思表示をしようという事で始めました。このブログを通じて、多くの方に活動をご理解いただき、福島と共に歩んで欲しいと思います。

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