山菜の季節になりました。
少し前までは筍が美味しい季節でしたが・・季節を楽しめた山の幸を口にしなくなって、イイエ、口に出来なくなって久しくなりました。
個人的な話ですが、私の甥は一時測量会社に勤めていました。
春になると山などの測量もして、そうするとお土産で筍を貰いましたっけ。
「イイの?」と聞くと、「会社の上司も現場に行けばそれが楽しみだって取ってるよ。僕が取れるのはそのおこぼれだもの。」
そう言えば、少し大きめの筍でした。
でも甥が掘ってくれたと思うとそれだけでも嬉しくて嬉しくて、たくさん料理し、美味しさと幸せを噛み締めながら戴いたものです。
それも原発が爆発してからは無くなりました。
そんな今日、福島の友人から、昨日会社で聞いた話というのをまた聞きしました。
福島の線量の高い山で、某会社の従業員が仕事をしたのだそう・・・
そして山菜を採取。きっとその人は食べようと思ったのでしょう。
まあ、普通は『うん?・・・食べるの?・・』と今の時代は思うのでしょうが。
ところが、その会社に山の持ち主からクレームが入りました。
「言ってくれれば良かったのに。そしたら喜んでどうぞどうぞとなるのに、黙って採るのは」というのだそうです。
そこで社員たちで立ち話が始まりました。
内容は、窃盗罪で訴えられるのではないか?という心配の話です。
話がどう展開するのか、そもそも女性にあまり発言権がない職場で働いている友人は、その放射能に汚染されているかもしれない山菜を食べる気なのかが不思議だったので、黙って仕事しながら聞いていたとのこと。
立ち話は最初から最後まで窃盗罪についての心配でした。
放射能の話は一切なかったそうです。放射能は?と彼女は内心びっくり。
「まあ、福島で放射能の被曝にはならないで、窃盗という、そういう話になるとは思わなかった。山菜ですもの、どう考えたって・・」
「そうなのよ、不思議でしょう?」
「原発いらないって福島の人に声を出して言って欲しい」
「これだもの、声が出ないのよ」
・・・・・・・
もっとずっと前、爆発した時から私たちはもっと大きな声で言うべきだった、どんどん街に出ていうべきだった、周りを強引に誘ってでも行動するべきだった・・・。死に物狂いでするべきだった。
それをしたつもりでも、結果はしなかった、結果はできなかったとなっている・・それが今の川内原発や伊方原発に影響していると思うと自分自身の罪の深さを思うばかりです。
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